コラムNo,29 テレビ局で働く人へ ヒント満載
 あのディレクターはなぜ「違い」を生み出し続けられるのか?

私は、現在某キー局に常駐し、情報番組(ワイドショー)を担当している。テレビの仕事を始めて10年。現在の番組に移り、3年になる。取材で全国を飛び回る毎日だ。この仕事をしていると友人などからよく聞かれることがある。「仕事楽しそうだね」「面白そうな仕事ですね」私は大概こう答えている。「ああ、とっても楽しいよ。いつ何時、日本のどこに行くかわからないけど、ね」と。ひょっとしたら、ここは日本人らしく少しへりくだって「いやー、正直キツいだけで、そんないいものじゃないよ。」とグチのひとつでもこぼした方が酒席では盛り上がるのかもしれないが、本当に楽しいのだからこればっかりは仕方がない。

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私が憧れる“できるディレクター”像

いわゆる“できるディレクター”聞くと、つとにかっこいい手法、尖った表現、クリエイティビティに溢れた構成などを思い浮かべるかもしれない。確かにそれらの腕を持ったディレクターは“できるディレクター”だろう。しかし私が憧れるのはそういった才気に溢れる特別な才能ではない。自分が伝えたいこと、伝えたい側の目線を切り取ること−そういったちょっとした違いを生み出せるディレクターになりたいと日々精進している。

“何に”注目するのか?

例えば「ワイドショー」の面白さの差はどこから来るのか?日々起きている事件、事故を伝えるのだが、番組が違えど、起きている事象は同じであって、普通に作ろうとすると当然、同じような内容になってしまいがちだ。だがワイドショーにも厳然と人気番組とそうでないものが生まれてくる。各局ほぼ同じ素材を使いながらも生まれてくる“違い”。いくつか要素はあるが、一番の違いはズバリ“着眼点の違い”だと私は考える。

同じニュースでも“目線”が違えば全然違う

「野菜高騰」を一つ例にしても取り上げ方は千差万別だ。野菜高騰の原因に着目する「原因は天候不順 気象異変のワケとは?」野菜が出荷できない農家の苦悩「不作にあえぐ農家 春野菜収穫までガマン」家計に与える影響「“今夜はお鍋”は高嶺の花 食卓からお鍋が消えた!?」高騰で被害を受けている人「キャベツ高くてトンカツ屋悲鳴 おかわり禁止に」誰の立場で、どういった目線で物事を見るか−同じ事象を見て、“どう切り取るか”それこそがディレクターの腕の見せ所だと思う。

人とは違う独自の切り口 それこそがディレクションの神髄

表現において、明確に“これが正解”というものはなかなかありえない。どんな事象にも多角的なアプローチができることが、この仕事の醍醐味でありそこから何をチョイスするかがディレクションであると思う。世の中はSNSが広がり誰でも気軽に動画を投稿できる時代になった。映像作品が身近になり、誰しもが動画を作るからこそ、我々ディレクターには今まで以上に“違い”を求められるようになる。常に様々なものに興味を持ち、感性を磨き続けていき、様々な動画コンテンツにおいて“違い”を生み出せるよう精進して参りたい。

テキスト:ナインフィールド
     ディレクター 高瀬 慎一

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