テレビ離れが進んでいるといわれてはや幾年。最近では動画配信のプラットフォームもかなり数が増え多様化し、それに伴うようなネット配信の番組・動画もすごく多くなってきています。
一方当然ながらテレビ番組もまだまだたくさん制作されています。
ではこと制作という面で考えた時、ネット配信の番組とテレビ番組とでは、どういう違いがあるのでしょうか?
ネット配信の制作はするべきことが多いことも多々ある
ネット配信番組というのは、本当にピンキリで、テレビと同程度の予算、スタッフの数をかけることが出来る番組もあれば、すごく少ないスタッフの数で制作をしないといけないこともあります。
テレビと同程度の予算やスタッフの数をかけることが出来る制作現場であれば、テレビ番組を制作する際と、さほど自分のやることに違いはありません。
でも全然スタッフの数が少ない状態での制作となれば必然的にするべきことは増えてきてしまいます。
お金がないからナレーションをディレクターが担当するなんていうこともあります。
だからネット配信の制作現場に入りたいと考えるのであれば、高い専門性を身につけるよりも、なんでもできる力を身につけておいた方が働きやすいでしょう。
実際に、あるネット配信番組の制作会社の求人で、「映像編集とライブ配信・イベント現場での技術スタッフの両方の仕事が出来る人を募集」というものもありました。そういう求人を出す会社は一つではありません。
逆にテレビの場合は完全に分業になることが多いので、専門性を高めておいた方が働きやすいでしょう。
ハードな現場がよりありうるのがネット配信番組制作
逆にテレビの場合は完全に分業になることが多いので、専門性を高めておいた方が働きやすいでしょう。
テレビ番組だってネット配信番組だって、ハードな現場にあたることはあります。でもよりハードな現場にあたりやすいといえるのは、ネット配信番組制作です。
ネット配信番組には、テレビではなかなかできないような無茶な番組もあります。
たとえばAbemaTVで元SMAPのお三方を迎えて放送された「72時間ホンネテレビ」。その名の通り72時間もの間の生配信番組なんて、出演者も大変ですが、制作の苦労もとんでもありません。主要な制作スタッフともなれば最低72時間家に帰ることも出来ません。
もちろん72時間寝ないわけではなく、睡眠時間は移動中のロケバスで確保していたとは言いますが、それでもとてつもなくハードなことは想像に難くないです。
地上波テレビ番組制作では24時間テレビや27時間テレビに関わらない限りそこまでハードなことはそうそうないでしょう。でもネット番組では、たとえば乃木坂46時間テレビや田中圭24時間テレビ等、長丁場の番組も比較的によくあります。
なんでもできる対応力と体力が必要なのがネット配信の制作現場
基本的にネット配信番組の制作現場では、何でも出来るような臨機応変さと、長丁場の現場でも耐えうる体力が必要になってきます。
もちろんすべての制作会社、すべての現場でそうだというわけではないですが、これらはしっかりと持っていたほうが良いことは間違いありません。
それだけ聞くとやや辛そうですが、ネット配信番組の制作現場には勢いもありますし、やりたいことをやっているという団結感のようなものもあります。そういうものに惹かれる人は、ネット配信番組の制作会社にはすごくやりがいを感じるでしょう。
テキスト:ナインフィールド
プロデューサー 松野 一人