進化するウェディングムービー

進化するウェディングムービー
2022年9月12日 ninefield

結婚式の演出に欠かせない「ウェディングムービー」披露宴のオープニングからエンディングまで、さまざまな場面を盛り上げるツールとして活用されています。結婚式は準備する項目が多く大変ですが、式をより感動的かつ印象的なものにするために、素敵な映像を用意したいと思う人も多いでしょう。最近は、結婚式の後にSNSにアップする人も多くなってきているため、短いストーリー性のある映像を制作する例も増えています。

 制作にあたり、「ムービーが見やすいか」「本当にこういうムービーでいいのか」ということは心配のポイントだと思います。今回は、ウェディングムービーの種類や使用する曲についての注意点、さらには業者へ依頼するポイントなど、ウェディングムービー制作に欠かせない知識を掘り下げていきます。



 

 



ウェディングムービーの種類

 ウェディングムービーは大別して「オープニングムービー」「プロフィールムービー」「余興ムービー」「エンディングムービー」の4つのジャンルに分けられます。

 はじめは「オープニングムービー」で、披露宴の開始前、新郎新婦の入場直前に流します。ムービー終了後に新郎新婦入場という流れが多く、間延びを防ぐ意味でも、長くて2分程度にまとめるのがスマートです。「今日はお運びいただきありがとうございます」という来場者へのあいさつ的なものや新郎新婦の登場を盛り上げるためのカウントダウンなど、エンタテインメント感を採り入れると、一気に会場が盛り上がります。

 次は「プロフィールムービー」です。新郎新婦の生い立ちや馴れ初めなど、お互いのゲストに簡単な自己紹介をするためのムービーです。「お色直し」で新郎新婦が中座している間、「中だるみ」しないための演出としても、重宝します。構成としては「オープニング→新郎の生い立ち→新婦の生い立ち→ふたりの出会い→エンディング」という流れでの制作が一般的です。

 「プロフィールムービー」は主に過去の写真を使いますが、写真の枚数に比例して時間が伸びていきますから、ある程度、トータルの時間を考えて、動画を制作します。写真でのスライドショーを作りたいと思った時にまず悩むのが「写真1枚を見せる長さ」ですが、エフェクトも含めて7秒程度表示すれば、ゲストもしっかり見ることができます。文字を入れる場合は、後方席からでも、ちゃんと読めるように、読み込むスピードなども配慮した上で、1スライドあたり20文字程度が適切でしょう。こうした要素から逆算すると、上映時間は長くても7分程度、写真の枚数は多くても50枚くらいに収めるのがベストといえます。また「手書き風」や「コマ撮り」「逆再生」など、工夫を凝らすのも印象に残る演出になります。

 「プロフィールムービー」は結婚式当日に見るゲストがどう思うかが一番重要になってきます。ですから、なるべくゲストと一緒に写っている写真を多めに選びましょう。プロフィールムービーを見る側にとっては、自分との思い出の写真を見つけたら、感慨もひとしおになります。見る側の気持ちを想像しながら写真を選ぶのも、ゲストに楽しんでもらうための大切な気配りです。

 次は「余興ムービー」です。「新郎から新婦へのサプライズ」「余興を頼まれた友人や同僚が行なう」などが代表例です。具体的には、新郎新婦のどちらかがサプライズとして、相手の職場の同僚から応援メッセージをもらったり、教師や保育士といった職業なら、教え子たちの余興など、出席していないゲストの映像を放映したりする演出が挙げられます。他にも、わざと花嫁の手紙を読まずに、その内容を写真と映像で流したり、自慢の新居を映像で紹介したりするのも効果的なアイデアといえるでしょう。

 このように、内容も自分たちのスタイルやこだわりに合わせて作成すれば、ゲストには上手なムービー演出を印象付けられます。ただ、メインはあくまでセレモニー本番ですから、動画の長さは長くても10分以内に収めましょう。また、サプライズムービーの場合は式場のプランナーとも相談し、事前にバレないよう、慎重に準備する必要があります。

 最後は「エンディングムービー」です。披露宴の締めくくりに流す映像で、タイミング的には、新郎新婦が退場し、ドアの外でお見送りの準備をする間に上映します。上映時間は3分から5分程度で、内容はゲストの名前や、それぞれへの感謝のメッセージを流すのが一般的です。
 
 結婚式場によっては、提携している映像制作会社が、当日撮影の映像をその場で編集し、映画のエンドロール風にして流す「撮って出し」も新鮮な演出として、人気があります。特に年配のゲストなどは、あまりの早さに驚く人もいるようです。

 なお、式場の提携外で「撮って出し」を行う場合は、事前に機材や映写システムの確認をしておくことが必須です。解像度が低かったり、写真の比率があっていないと、いざ式場の大きなモニターに映したら、写真が乱れたり、ボケたりしてしまい、せっかくのアイデアが台無しです。さらに、家のパソコンやDVDプレーヤーだと再生できるのに、式場ではできなかったということもあるので、どんな形式で持ち込めば大丈夫かもチェックしておきましょう。

BGMの使用には要注意

 動画に使用するBGMは結婚式のテーマにマッチングした上で、用途別に考えましょう。例えば、入場前のオープニングムービーに使うBGMはアップテンポな曲、プロフィールムービーは家族の絆やふたりの愛が表現できる静かな曲、式を締めくくるエンディングムービーは感謝の気持ちが伝わる曲というように、雰囲気に合わせて選ぶとベストです。

 ただし、要注意なのは、好きな曲を好きなだけ流せるわけではないこと。曲にかかる著作権は、市販されているCDを流す「演奏権」とデータを複製し、オリジナルCDを作ったり、映像と曲を一枚のDVDにしたりする「複製権」にわかれます。生演奏や録音物の再生は、通常、ホテルや結婚式場などの施設がJASRACへの手続きを担当しますが、ムービーにつけていたBGMに著作権許諾を受けていなかったという失敗例もありますので、結婚式場へ直接、問い合わせてみることをおすすめします。

プロへの依頼も有力な選択肢

 自作する最大のメリットは、コストを抑えられることです。時間とツールさえあれば、ほとんどお金をかけず、ムービーを作ることができます。しかしいざ制作を始めてみると、パソコンのスペックや自分の編集レベル、編集ソフトの購入費など、さまざまなハードルが立ちはだかります。
 
 なかなか思い通りにいかず、出来上がりがギリギリになることも珍しくないでしょう。「ムービーを自作する時間や自信がない」「より感動できるクオリティの高い映像に仕上げたい」という人は、プロの映像制作会社に依頼してみては如何でしょうか。

 制作にかかる期間は、早ければ2週間、凝ったものだと1か月半くらいですが、制作会社や素材の選定にかかる時間を考えると、結婚式の3カ月前が検討開始のタイミングといえます。また、その際、料金についても、きちんと確認をしておくことを忘れないようにしましょう。いずれにせよ、写真や動画、BGMを決めるのは結婚する本人たち。満足のいく作品を作るには、早めの準備スタートが必要十分条件といえそうです。

テキスト:ナインフィールド
ディレクター 林 要