2019年の映像トレンドから、今後のトレンドを考える

2019年の映像トレンドから、今後のトレンドを考える
2019年12月30日 ninefield

映像には、ファッションや食のようにトレンドがあります。もちろんトレンドに乗ることがすべてではなく、「トレンドに乗っていないからこの映像はダサい」ということは全くありません。
ただトレンドを知っておいた方が、より良い映像、より求められている映像を作ることが出来る可能性は増すでしょう。
そこでここでは、2019年の映像トレンドを振り返り、今後のトレンドを考えてみたいと思います。



 

 



2019年のトレンドは90年代風

映像のトレンドは、ファッションのトレンドに引っ張られるところがあります。ファッションも映像も一つのアートだと考えると、それも頷ける話です。

ここ最近のファッションのトレンドは、「90年代調」でした。ビッグサイズのジャケットなど、90年代感のあるストリートな雰囲気のものが爆発的な人気となっているのが昨今の風潮です。それに呼応するように、実は映像のトレンドも90年代調だったといえます。

たとえばアナログビデオ調の、ピントが合いきらないような適度なボケを感じる映像だったり、色を際立たせないようなレトロな質感のカラーコレクションを施した映像だったりを特によく目にしました。もはや映像サイズから、4対3になっているものも多々あったでしょう。

4K8Kとテクノロジー的にはどんどん最先端へ進んでいく一方、映像的にはあえて逆行するような雰囲気のものが多くみられました。

 

グリッチエフェクトも一つのトレンド

そんな90年代的なアナログ感といまっぽい現代感をあわせたようなグリッチエフェクトも、2019年の映像制作における一つのトレンドです。

文字や映像の一部を一瞬ずらすような、壊れたテレビのようなエフェクトであるグリッチエフェクトは、昔から映像に施すエフェクトの定番だったといえます。ただこの2019年は、特にそれを目にしました。

MVでもよく見られましたが、特によく見られたのはWEB広告動画。派手でわかりやすいエフェクトなので、インパクトを与えないとならないWEB広告動画と相性が良かったということや、効果に反して比較的に簡単に施すことが出来るということも関係しているでしょう。

 

徐々に目立ち始めているリアルな3Dエフェクトを使った映像

そんな2019年の映像トレンドの反動で、今後はよりテクノロジー感のある編集がトレンドとなる可能性が高いといえるでしょう。

たとえばすでに徐々にいろいろなところで見られるようになってきているのが、リアルな3DCGを用いた映像です。

2019年、紅白歌合戦にも出場が決定した新進気鋭のアーティストKing Gnu。そのメンバーが率いるmillennium paradeという音楽集団がいます。そんな彼らのMVでリアルな3DCGを用いたテクノロジー感あふれる映像が見られますし、Major lazer & Khalidという海外のアーティストのMVでも、リアルな3DCGキャラクターに躍らせる映像が話題となりました。

WEB広告動画の市場がますます広がる近未来では、一目みて「すごい」「引き付けられる」と思わせる編集が、より必要になります。リアルな3DCGはだれが見ても間違いなく一目で「すごい」と思うものです。

今後はそんなリアルな3DCGエフェクトを用いた動画が、WEB広告動画を中心にどんどん増えていくでしょう。

 

トレンドを読み、そこで戦う力をつけておく

トレンドになるということは、それを求められる機会も増えるということです。これから先、リアルな3DCGを求められる可能性は高いですから、今のうちにそのスキルを磨いておくに越したことはありません。

依頼が来た時に「出来ません」では、大切な仕事の機会を一つ失ってしまう可能性もありますから。

 

テキスト:ナインフィールド
プロデューサー 笹木 尚人