売り上げに直結?美容室のPR動画の作り方と効果

売り上げに直結?美容室のPR動画の作り方と効果
2020年6月8日 ninefield

インターネットで手軽に興味のある動画を見る人が増え、そうした視聴者をターゲットにして、広告・宣伝の方法も変わってきました。
その流れは美容室の集客方法にも変化をもたらし、現在新しいメディアを使った美容室の宣伝・広告が広がっています。その一つがPR動画を活用する方法です。
美容室とは相性が良いと言われる動画を使うと、どんなPRが可能になるのか、その作り方と利用法を紹介します。



 

 



転換期にある美容室のPR方法

まずこれまでに美容室が行ってきた、新規顧客向け対策を考えてみましょう。その主な方法は以下のようなものでした。

・アナログ的方法(ポスティング、折り込みチラシ、フリーペーパー)
・デジタル的方法(ホームページ、ブログ)

アナログ的方法は地域内で一定の効果は期待できるものの、その費用対効果は良いとは言えません。一方のデジタル的方法は多くの美容室が採り入れており、ほとんどコストがかからないというメリットはありますが、他の美容室との差別化は難しいでしょう。

こうした既存の広告・宣伝方法では、美容室の雰囲気や美容師の技術は伝えきれません。ところが動画が最も得意とすることが、まさにこの点なのです。

 

美容室と相性が良い動画によるPR

これまで美容室はホームページを充実させたり、美容師によるブログを発信したりして、お店の雰囲気やスタッフの技術をアピールしてきました。しかしそこで伝えられるものには限界があります。

ファッション雑誌で気に入ったヘアスタイルを見つけても、美容室で本当にその髪型が再現できるかどうかは、正直試してみないと分かりません。特に初めてのお店では、その店の技術やセンスを事前に知ることは難しいでしょう。

分野は違いますが、歯科医を選ぶ時と美容室を選ぶ時とは、ある種通じる部分があると思います。もしその歯科医の技術が事前に確認できたり、治療の手順や仕上がりがリアルに確認できたりすればとは思いますが、治療風景を動画で配信するのは生々しすぎます。

しかし美容院はどうでしょうか、ファッションに関わる世界なので、カットのシーンを見せることに抵抗はないはずです。今まで写真で見せていたサンプルを動画にしても、まったく違和感を与えることはないでしょう。

動画を使うことにより、お客さんの視点からすると、自分が興味のあるヘアスタイルについて、カットの始まりから仕上がりまでを一連の流れで確認することができます。写真のように仕上がりだけでなく、途中の過程までチェックできるのです。

またスタッフの技術をチェックする手段としても、動画は非常に有効なツールです。逆に美容室の立場からすると、技術のレベルをアピールすることで、お客さんに対して安心感を与えることができます。

もう一つ動画の持つ強みとしては、お店の雰囲気までリアルタイムで伝えられることが挙げられます。スタッフへのさりげないインタビューや、ミニ・ヘアショーなど、アイデア次第でさまざまな形でのアピールが可能です。

 

PR動画で集客率アップ

PR動画を広告・宣伝に利用する場合、動画の品質にも注意する必要があります。美容業界で大切なのはプロとしての技術やイメージですから、動画を作る時にもプロのセンスが要求されます。動画の制作はプロに任せるべきでしょう。

では動画を使うと具体的にどんなことがアピールできて、どのような効果が期待できるのでしょうか?集客率を高めるための動画利用法を確認してみましょう。

①カット・ヘアアレンジの流れを紹介
モデルを使い、カットの始まりからヘアアレンジが終了するまで、流れの全体を紹介することで、お客さんは動画を前にして疑似体験をすることができます。
もちろん始めから終わりまでノーカットで見せるわけには行かないので、部分的にカットするか、もしくはハイスピード編集を行い、視聴者を飽きさせない工夫が必要です。
ホームページなどで定期的にリリースをして、さまざまなヘアスタイルを紹介できれば、固定ファンを増やすこともできるでしょう。

②スタッフの技術をクローズアップ
スタイリストとしての技術をアピールするなら、カットの様子にヘアアレンジの説明を実況的にプラスした、アレンジのワンポイント・アドバイスなども可能です。
お店のトップ・スタイリストを前面に押し出して、カットとトークを中心に、手元アップも多用することで技術レベルを効果的に見せることができます。

③美容室の雰囲気を紹介
お客さんの立場からすると、お店の雰囲気やスタッフの人柄も気になるはずです。それぞれのスタッフがカットする様子や、インタビューなどの生の声を動画にすることで、お客さんにある種の親近感を抱いてもらえるかもしれません。
逆に実際に美容室を利用しているお客さんの声を紹介することも効果的でしょう。

これらは動画利用の一例ですが、PR動画を使うことの最大の利点は、お客さんに美容室の疑似体験をしてもらえることです。動画の内容が充実していれば、美容室の魅力は必ずお客さんに伝わるでしょう。

動画配信の方法はホームページ、SNSなど色々あります。動画のファンを効率的に顧客に取り込むためにも、動画の追加や更新を常に行うことが一つのポイントになるでしょう。

 

PR動画を求人にも活用

美容院の雰囲気を伝えるという動画の特徴は、美容関係の求職者にもダイレクトに伝わります。動画を見ることでオーナーや店長、そして同僚になるかもしれないスタッフについて事前に確認でき、何よりもお店の雰囲気を知ることで、求職者は大きな安心感を得ることができるでしょう。

美容室側からすると、お店と自分との相性を事前に確認している応募者が増えれば、採用基準をより明確にできるだけでなく、最終的には良い人材を集めるチャンスにもなります。
また求人広告にかけるコストを抑えて、その分をPR動画の充実に回せば、広告・宣伝・求人を一連の流れの中で、以前よりもはるかに効率的に行えるようになります。

PR動画は配信方法も多様化していて、ホームページ以外でもYouTubeへの投稿が現在注目されています。さまざまな方法で配信しておけば、思いがけない反応が返ってくることも、動画配信の面白さと言えるでしょう。

 

美容師とYouTube

いち早く動画のメリットに気づいた美容師の中には、現在YouTuberとして活躍中の人もいます。動画の投稿がきっかけになり、自分では想像もしていなかった、都内のファッション先端地でお店を開いた人の事例もあります。積極的に動画を配信することは、色々な意味で可能性を広げることになるでしょう。

ただし現在YouTuberは、多くの分野で流行の一つになっています。中身がない動画では、視聴者の興味を引くことはできません。今後はより内容が充実して、レベルの高い動画を作らないと、注目を集めることは難しくなるのではないでしょうか。

 

PR動画の役割は自己体験として想像させること

動画というメディアの魅力は、自分がまるでそこにいるように臨場感にあふれた体験ができることです。視聴者は動画を通じて自分をそこに重ね合わせ、美容室の場合はまるで自分がカットされているような疑似体験をすることができます。

この疑似体験が心地よく満足できるものであれば、その視聴者は実際にお客さんとして美容室を訪れる可能性があります。パンフレットや雑誌の広告に、こうした疑似体験まで求めるのは不可能です。

私もこの美容室に行ってみたい、この美容師さんにヘアアレンジをお願いしたいと思ってもらえれば、他のどんな方法よりも集客効果は高まるはず。競争が激化して他店との差別化も求められる今、PR動画をいかに上手に活用するかが、美容室の成長のきっかけになるかもしれません。

 

テキスト:ナインフィールド
プロデューサー 笹木 尚人