売れるクリエイターになるために 効果的な自己演出とは?

売れるクリエイターになるために 効果的な自己演出とは?
2020年6月29日 ninefield

現在学生や子どもたちにも人気の職種「クリエイター」。クリエイティブな、つまり創造的な仕事全般に当てはまる職種のことですが、理想と現実とのギャップの中、第一線で活躍することはそれほど簡単ではありません。

しかしクリエイターの種類が多様化した今、それぞれの分野で売れるクリエイターになるチャンスも増えているかもしれません。これから創造的な仕事に就きたいという皆さんのために、この記事ではクリエイターに必要な能力や自己PRについて解説します。



 

 



ますます増えるクリエイター

クリエイターという職種の定義は非常に幅が広く、モノづくりに直接的・間接的に関わる人々全体を表す言葉とも言えます。今クリエイターが活躍する分野はますます増え、その仕事も多岐にわたりますが、まずはクリエイターを分かりやすく分類してみましょう。

◎仕事の内容による分類
●プロデューサー:プロジェクト全体の管理を行う総責任者
●ディレクター:制作現場における指揮・監督者
●プランナー:プロジェクトの企画・立案担当者
●デザイナー:非常に幅広い分野でデザイン全般を担当する制作者
●エディター:具体的な作業を担当する編集者
●エンジニア(プログラマー):主に技術的な作業を担当する制作者

これ以外にもクリエイターに含まれる仕事は色々ありますが、現在はWeb制作・ゲーム制作・広告制作・ITシステム開発など、多くの職種でクリエイターが活躍しています。

映像制作業界もその一つで、プロデューサー・ディレクター・エディター・カメラマン・音響エンジニアなど、ほとんどクリエイターの集団と言っても良いでしょう。

 

クリエイターに求められる能力

クリエイターの中には、試験を受けて能力を証明できるものもあります。Web制作の業界には「Webクリエイター能力認定試験」があり、デザイン業界には「Photoshop能力認定試験」「Illustrator能力認定試験」など、具体的な仕事に合わせた資格試験が存在します。

こうした資格の取得にかかわらず、クリエイターにとって欠かせない資質は、モノを作り上げる技術や発想です。決まった作業を繰り返す仕事と違って、こうした能力を身につけていないとクリエイターの仕事は務まりません。

例えばゲームクリエイターの仕事では、これまでに公開されていないタイプのゲームを考え、それを1つのゲームとして構成した上で、具体的なプログラミングを進める必要があります。企画・立案・構成というクリエイティブな作業があり、さらにエンジニアによるクリエイティブな作業によって、1つのモノが生み出されるわけです。
モノを作り上げるという点では、工場である製品を製造することも同じと言えますが、その場合規格に合わせて作業を進めるだけで、でき上る製品は事前に決められています。
クリエイターの仕事はそれとは別で、自分たちの能力により形のないものから、形のあるモノを生み出さなければならないのです。

 

企業が求めるクリエイター像

ここからは「売れる」クリエイターという視点から、ディレクター(クリエイティブディレクター)にスポットをあててみましょう。

どのような業界でも、実際に現場を統括してモノを作り上げる責任者として、優秀なディレクターは絶対に必要な存在です。ディレクターとしての実績次第では、その上のポジションへのステップアップや、独立してフリーで活躍することも可能です。

クリエイティブな企業からすると、ディレクターの能力は仕事の品質に直結するため、業績アップのためにも優れた人材を求めています。では企業が求めるディレクターとは、どのような人材なのでしょうか。

まず現場業務のまとめ役として、ディレクターにはリーダーシップが求められます。一緒にプロジェクトを進めるクリエイターが、それぞれの能力を充分に発揮できる環境作りができなければなりません。

その点実務的作業に関わることは少ないので、作業そのものの技術力を問われることはないでしょう。ただし知識の面では細かい部分まで熟知していた方が、企業側からすると魅力的な人材に映るでしょう。

また現代社会では一般職でも働き方に変化が起きており、これまでのような縦型の組織構造から、マネジャーを中心にした柔軟な組織へと変革が進んでいます。マネジャーに求められる能力は、マネジメントだけでなくコミュニケーションも重要な要素です。

現在はディレクターにも、このコミュニケーション能力が要求されます。ディレクターには仕事の中で、縦と横の関係をスムーズにする能力が必要です。
クライアントとのやりとりから、会社の上層部の意向をスタッフに伝えたり、スタッフ同士のトラブルや現場での問題解決まで、高いコミュニケーション能力が求められます。

さらに売れるモノを作るためには、マーケティング能力も必要になるでしょう。これはプロデューサーやプランナーの仕事ではありますが、優秀なディレクターになるためには、ぜひとも身につけておきたい能力です。

これらの点をまとめると、企業にとって欲しいと思えるディレクターとは、現場でスタッフをまとめるリーダーシップを持ち、しかも新しい発想のベースになる知識も身につけ、さまざまな相手とコミュニケーションをとれる人材だと言えるでしょう。

 

クリエイターの求職・転職事情

クリエイターに対する求人は全般的に自由度が高く、学歴不問や未経験者歓迎など比較的ハードルは低めです。ただし高いポジションで、売れるクリエイターを目指すのであれば、かなりの実績がないと通用しません。

プログラマーやエンジニアであれば、技術力で自分を売り込むこともできますが、ディレクターに求められる能力や経験は別の種類のものなので、例えばキャリアアップで転職する場合にも、相手にしっかりとした実績を提示する必要があります。

実際にディレクターやプロデューサーの求人を確認すると、基本的なビジネススキルとして社会人経験があることと、業界での実務経験や営業経験の有無が条件になっています。
また最近の傾向ではコミュニケーション能力についても、条件の一つに挙げられることが増えているようです。

 

クリエイター職を見つけるポイント

ここで映像制作業界に目を向けてみましょう。この業界でクリエイターとして活躍するためには、能力や技術以外に感性も問われます。これはデザインやゲームなど、他のクリエイティブな業界とも共通することです。

映像制作の仕事でディレクターになるには、少なくともカメラマンとしての撮影経験と、エディターとしての編集経験は必要です。その上でプロジェクトの企画から完成まで、一貫して現場をまとめ上げる経験を積まなければなりません。

優秀なディレクターとして頭角を現す人は、ここで優れた作品を次々に生み出します。プロジェクトが大きくなるほど多くのスタッフが集まり、それをまとめるディレクターの実績も高く評価されます。

さらなるキャリアアップを求めて転職する場合、こうした実績を着実に積み上げてから、今度は自分自身を演出する必要があります。クリエイターとしての自分の価値を、相手に売り込むわけです。

幸い現在の転職ではポートフォリオを活用できます。過去の業績・経歴・作品に、自己PRをプラスしてポートフォリオを充実させておきましょう。ディレクターとしての新天地で翼を広げるためにも、自分をアピールする自己演出術は必要不可欠です。

 

「売れる」クリエイターになるために

売れるクリエイターを目指すには、待ちの姿勢ではチャンスは訪れません。もちろん過去の実績も重要ですが、自分を積極的に売り込む自己PRも絶対に必要です。
今後クリエイターが増えて行く中では、能力と実績だけでは横並び状態から抜け出せないかもしれません。

とにかく自分の価値を信じて、常に前へと踏み出す姿勢が大切です。売れるクリエイターになるための第一歩は、他人よりも目立つことだと考えましょう。

 

テキスト:ナインフィールド
プロデューサー 笹木 尚人