近未来の働き方?スマホだけで映像制作の仕事をすることはできるのか

近未来の働き方?スマホだけで映像制作の仕事をすることはできるのか
2019年12月16日 ninefield

映像制作には、基本的にはある程度のスペックのPCが必要。これが今までの映像制作業界の基本的な考え方でした。しかし今の時代、スマートフォンのスペックは非常に高く、スマホで動画編集することもできるようになっています。
ではこれからの時代、高価なPCがなくとも、スマホ一つあれば映像制作の仕事を受注できるようになるのでしょうか。



 

 



スマホアプリでできないことは意外と少ない

昨今、アプリの進歩はすさまじいものがあります。たとえばちょっとした動画配信アプリでもあっても、After Effectsで一から作ろうとしたら数時間はかかるようなエフェクトが簡単に追加できます。動画編集に特化したアプリでいえば、基本的なカット、テロップや音楽の挿入なども問題なく可能。つまり、ある程度の編集であれば、スマホアプリだけでもできるようになっているということです。

まだ、このアプリでは音楽のトリミングが出来ないとか、このアプリでは画質設定を変えられないとか、それぞれいくつかの難点はあるものです。ただいくつかのアプリを併用すればそうした問題もなくなります。

もちろんできないこともあります。たとえばAfter Effectsで行うような複雑な動きをもたらしたり、複雑なエフェクトを作ったりすることはまだまだアプリでは難しいです。しかし今後それも出来るようになる可能性は多いにあるでしょう。

またそれが出来なくとも、動画にエフェクト素材を入れることが出来るアプリがあれば、必要なエフェクト素材だけ外注して、基本的なカット編集だけこちらで行うという分業制も取れるようになります。そういった働き方まで視野に入れれば、スマホだけで映像制作の仕事をすることが出来る時代も確実に来るといって良いでしょう。

 

スマホで映像制作の仕事をするメリット

スマホアプリで映像制作の仕事が受注できるようになるとして、そこにはどんなメリットがあるでしょうか?

考えられる最も大きなメリットは、スピード感が増すということ。PCで映像制作をする多くの人が、より高いスペックであることが多い、デスクトップ型のPCで編集していることでしょう。
その場合ビデオカメラで撮影した映像を持ち帰り、それをパソコンに取り込み、そこから編集して書き出してアップロード、あるいはDVDやブルーレイに焼いて提出するという手順を踏まないとなりません。

しかしスマホで映像制作が出来れば、スマホでとった4K映像などをすぐにその場で編集して、そのままスマホからアップロードできたりもします。その分無駄なやり取りの時間が短縮でき、よりスピーディーに仕事が可能です。

これからの時代は、5Gの広まりとともに動画編集にもよりスピード感が求められるようになる可能性が極めて高いです。こうしたメリットがあるのは非常に大きいといえるでしょう。

 

スマホアプリにも慣れておいた方が良い

このように、スマホアプリだけで映像制作の仕事ができるようになる可能性は極めて高いですし、今後実際にそういう方も出てくるでしょう。

既存の映像制作会社・編集者は、そうした新時代の動画編集者に負けないように、今のうちからスマホアプリでも戦えるようにしておくのがおすすめです。

今のうちから慣れておけば、いざそういう時代が来た時、スマホでもPCでも対応でき、より重宝される可能性が高くなります。

 

新時代はすぐそこに来ている

ひと昔前であれば、自宅のPCで動画編集の仕事をしているフリーランスなんてほとんどいませんでした。ある程度のスペックのPCでもすごく高価でしたから、なかなか個人では難しいところがありました。

でも今では多くの人がフリーランスとして働いています。それだけすごいスピードでテクノロジーが進化したということです。

「スマホだけで映像制作なんてありえない」と言っていたのが恥ずかしいと思うような時代は、もうすぐそこまで来ていると思った方が良いでしょう。

 

テキスト:ナインフィールド
プロデューサー 高瀬 慎一